祖父母

03-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #8】Episode3|祖母と、家と、お墓と

唯一と呼べる人との繋がりを、静かに手放した。時間を少し戻すと、その頃の家の中にも、重なるように変化が起きていた。狭い四畳半の夜に中学を卒業してほどなく、母は月に一度、六時間かけて帰郷していた。祖父が他界してから五年近く、祖母が一人で暮らして...
03-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #7】Episode2|仔猫と手紙と、唯一の友だち

桜の季節になるたび、思い出す帰り道がある。あの頃の私は、まだ“居場所”というものを、うまく見つけられずにいた。食べきれずに残した記憶両親と新たな場所での生活が始まったが、なかなか保育所に馴染めず、ぐずってばかりいたという。保育所の頃の記憶が...
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【生い立ちの記録 #6】Episode1|離れ離れの生活

幼い頃の記憶は、断片的にしか残っていない。それでも、その遠い始まりを、ここから辿っていく。安定した家庭とは無縁だった幼少期から「安定した家庭」とは無縁だった、わが家。保育所へ行く頃、私は祖父母と三つ上の兄・広良と一緒に暮らしていた。一つ違い...