「奥付(おくづけ)」という言葉を、私が初めて知ったのは、電子書籍を作りたいと思って調べ始めたころでした。あるWordテンプレートのサイトで見かけた「奥付」の一枠が、なんだか凛としていて、憧れたのを覚えています。
本の最後にある、あの小さなページ。いざ自分の本を作るとなると、「ここに何を書けばいいの?」と迷いました。ここでは、初めての一冊のために、奥付に入れる項目と、書き方の見本をまとめておきます。
※ これは私が個人出版(Kindle)で作ったときの体験と、一般的な例をまとめたものです。書き方に決まった正解はなく、時代や本によっても変わります。心配なときは、お手持ちの本の奥付を眺めてみるのがいちばんの参考になります。
奥付とは?
奥付とは、本の終わりのほうにある、書名・著者名・発行日・連絡先などの基本情報をまとめたページのことです。その本を「いつ、誰が、どうやって作ったのか」を示し、何かあったときの問い合わせ先にもなる——いわば、本の責任と素性を明かす一枠です。
実は、奥付をつけることは法律で義務づけられているわけではありません。それでも、あると本がぐっと一冊らしく引き締まりますし、読んでくれた人への礼儀にもなると、私は感じています。
奥付に入れる項目(基本)
よく入れられるのは、次のような項目です。全部を入れる必要はなく、自分の本に合うものを選べば大丈夫です。
- 書名(本の正式なタイトル。いちばん上に)
- 発行年月日(初版発行日)
- 著者名(ペンネームでかまいません)
- 発行者・発行所(個人の場合は、著者名や屋号でOK)
- 連絡先(ウェブサイトやメールなど。※自宅住所・電話番号は書かない)
- 著作権表示(© 発行年 著者名)
- (必要なら)無断転載を禁じる一文
- (紙の本のみ)印刷・製本所/(あれば)ISBN
【大切】個人情報は、載せない
ここだけは、しっかりお伝えしておきたいことです。奥付に、自宅の住所や電話番号などの個人情報は書かないでください。
本は、古書店やフリマアプリなどで、見知らぬ人の手に渡っていくこともあります。そのとき、奥付に住所が載っていると、そのまま個人情報が広がってしまいます。連絡先は、ウェブサイトのURLやメールアドレス、SNSなど、公開しても差し支えないものだけにしておくと安心です。
私が実際に入れた項目
私の一冊では、こんな項目を入れました。
- 書名
- 著者名(ペンネーム)
- 発行日
- 連絡先として、ブログとnoteのURL
- 引用させていただいた内容についての、お礼の一文
- 著作権表示
住所や電話番号は入れず、連絡先はネット上の窓口だけにしました。引用のお礼を添えたのは、許可をくださった方への感謝を、形として残しておきたかったからです。
書き方の見本(テンプレート)
そのまま埋めて使える、シンプルな見本です。縦書きでも横書きでも、考え方は同じです。
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『(本の正式タイトル)』
(サブタイトルがあれば)
(発行年月日) 初版発行
著 者 (著者名・ペンネーム可)
発 行 (発行者名=個人なら著者名や屋号)
連絡先 (ウェブサイトやメールなど)
© (発行年)(著者名)
本書の無断複製・転載を禁じます。
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※ 「無断転載を禁じます」のような一文は、他の本からそのまま写すのではなく、「自分は何をされたら困るか」を考えて、自分の言葉で書くのがおすすめです。著作権表示は「© 発行年 著者名」で十分で、「Copyright」と「©」は同じ意味なので、両方を重ねる必要はありません。
迷いやすいところ
発行日は、いつにすればいい?
電子書籍(KDP)の場合、審査を経て公開されるため、公開日を前もってぴったり決めるのは難しいです。
私は「だいたいこの頃」という日付を入れました。厳密でなくても大丈夫です。
発行者は、個人でもいいの?
はい。出版社を通さない個人出版では、発行者は著者本人(ペンネームや屋号でも可)にするのが一般的です。
ISBNは必要?
Kindleなどの電子書籍では、基本的にISBNは必要ありません。ISBNは主に、紙の本を書店で流通させるときに使うものです。
Kindle(Word)での作り方のコツ
私はWordで原稿を作ったので、いちばん最後に「改ページ」を入れて、奥付だけの独立したページにしました。本文の流れとまざらず、きれいに収まります。
原稿づくりや表紙、KDPへの登録の流れは、別の記事にまとめています。あわせてどうぞ。
小さな一枠が、本を「一冊」にしてくれる
奥付は、目立たない小さなページです。それでも、ここが入ると、自分の書いたものが、ちゃんと一冊の本になった気がします。かつて憧れたあの一枠を、自分の本に持てたときは、少し誇らしい気持ちになりました。
あなたの一冊にも、そっと添えてみてください。
あわせて読む
この奥付を入れた本の作り方(原稿・表紙・出版まで)は「制作の記録 #1(Kindle出版)」に、物語そのものは「記録一覧」にまとめています。




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