【手続きの記録 #01】婚姻費用分担請求を、一人で申し立てた|調べたこと・準備したこと

手続きの記録

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「調停の章」では、私が一人で家庭裁判所に申し立てをしたときのことを、物語として綴りました。

ここでは、その流れの中では書ききれなかった 実際の手続きや準備の部分 を、記録として残しておきます。専門的なところまでは踏み込めませんが、同じような場面に立っている誰かの、ささやかな手がかりになればと思います。

※ これはあくまで私の体験にもとづく記録です。制度や必要書類、費用は変わることがあります。正確な情報は、必ず裁判所や専門機関でご確認ください。

婚姻費用分担請求とは(ざっくり)

夫婦が別々に暮らすようになっても、生活にかかる費用(婚姻費用)を分担する義務がある——という考え方にもとづいて、その分担を求める手続きです。

私の場合は、父が家を出ていったあと、生活費も入らない状態が続いたことが申立ての始まりでした。

※ 制度の詳しい定義や対象になる費用の範囲は、家庭裁判所や法テラスの説明がいちばん確実です。ここでは「私が向き合った範囲」での説明にとどめます。

どこに申し立てるのか——私がつまずいた「管轄」のこと

最初にしたのは、家庭裁判所について調べることでした。けれど、調べれば調べるほど分からないことが増えていって、実はこの時点で、私はひとつ大きな勘違いをしていました。

書類を郵送してから連絡が入り、「こちらではなく、隣県の家庭裁判所で行われる」と告げられたのです。

そのとき初めて知りました。

調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てるのが原則。

私はそれを知らずに、自分の近くの裁判所へ申し立ててしまっていました。

※ 「どの裁判所が管轄になるか」は、申立ての種類や相手の住所によって決まります。申し立てる前に、裁判所のホームページや窓口で確認しておくと、私のような行き違いを避けられます。

自分で申し立てるとき、私が準備したもの

弁護士に依頼する余裕はなく、手探りで進めるしかありませんでした。それでも、本人で申し立てること自体はできました。

裁判所のサイトには、「申立てに必要な書類」として、おおむね次のような項目が案内されていました。

  • 申立書(と、その写し。相手方にも送られるため、複数部の用意が必要でした)
  • 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 申立人の収入が分かる資料(源泉徴収票・給与明細・確定申告書などの写し)
  • 事情説明書・進行に関する照会回答書・送達場所等の届出書(裁判所ごとの書式)

※ 必要な書類は、申立ての種類やケース、裁判所によって変わることがあります。書式は裁判所のサイトでダウンロードでき、最新の正確な一覧は、申立先の家庭裁判所の公式ページか窓口でご確認ください。戸籍謄本は、発行から3か月以内のものを求められることが多いようでした。

ほとんどを、郵送で進められた

意外だったのは、窓口へ何度も足を運ばなくても、多くの手続きを郵送で進められたことです。

私の場合は、そろえた書類を レターパックライトで送ることで済ませられました。追跡番号で、ちゃんと届いたかを確認できたのも、ひとつの安心でした。

※ これは、こちらから裁判所へ書類を送るための郵送です(裁判所が連絡に使う「連絡用の郵便切手」とは別のものです)。提出方法や、書留などの指定は裁判所によって案内が異なることがあるため、心配なときは、送る前に書記官の方へ確認すると確実でした。

この章の電子書籍を出版する際、引用の許可をいただいた弁護士さんが、出版に協力された本があります。お金や男女間、不動産など、暮らしのなかで起こりうる法律トラブルを実例で解説した保存版です。

私が体験した手続きそのものを扱った本ではありませんが、「何が起きていて、どこに相談できるのか」をまず見渡したいときの一冊として、ご縁もあって、ここでご紹介させていただきます。

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「取り下げ」と、裁判所が進めてくれる方法

管轄の行き違いが分かったとき、手続きとしては二つの方法がありました。

ひとつは、いったん申立てを取り下げて、改めて相手方の住所地の裁判所へ出し直す方法。もうひとつは、取り下げずに、裁判所のほうで手続きを進めてくれる方法です。

私は、後者を選びました。取り下げて出し直すより、時間がかからずに済むためでした。

※ どんな方法が選べるかは、状況や裁判所によって異なります。迷ったときは、自己判断で進める前に、書記官の方に確認すると安心でした。そのとき、どんな気持ちでこの選択をしたのか——書記官の方とのやり取りや、心の揺れまでは、「調停の章」に綴っています。

電話で、という選択肢もあった

レターパックライトが管轄の家庭裁判所に届いてしばらくして、書記官の方からも電話が入りました。難聴の母のそばで、私がメモに書いて伝えながら、やり取りを進めました。

遠方だったこともあり、「電話でもできるのでは?」と尋ねられました。けれど、そのとき私は、そういう仕組みがあること自体を知りませんでした。緊張もしていて、それ以上詳しく尋ねることはできないまま、それでも——直接その場に行きたいと思い、出向くと決めました。

※ 調停には、出向かずに電話やウェブ会議で参加できる方法があります。2013年(平成25年)に家事事件手続法で取り入れられた仕組みで、遠方に住んでいるなど、裁判所が相当と認めた場合に利用でき、近年はウェブ会議の運用も各地の家庭裁判所に広がっています。遠くに住む人や事情のある人の負担を軽くする一方で、対面のほうが声の調子や表情など、電話越しには伝わりにくいものを分かち合いやすい、とも言われています。利用の可否や、どこまで出向く必要があるかも含め、扱いは年々見直されているため、最新の内容は申立先の家庭裁判所でご確認ください。

費用のこと(おおよそ)

申立てには、収入印紙と、連絡用の郵便切手が必要でした。婚姻費用分担請求の調停では、収入印紙は1,200円分とされています。

※ 収入印紙の額は申立ての種類によって決まっています。郵便切手の種類・枚数は裁判所ごとに違うことがあるため、申し立てる裁判所に直接確認するのが確実です。金額の目安だけで準備すると、過不足が出ることがあります。裁判所によっては、必要な切手のセットを売店で購入できる場合もあるようでした。

専門的なことは、どこで相談できた?

一人で抱えきれないと感じたとき、無料で相談できる窓口に助けられました。

  • 法テラス(無料の法律相談・情報提供)
  • 家庭裁判所の手続案内(書類の書き方などの案内)
  • 市区町村の無料法律相談

どれも、私のように「何から手をつければいいのか分からない」段階の人にこそ向いていると感じました。

一人でも、進めることはできた

専門家に頼れなくても、調べて、電話をかけて、書類を整えて——たどたどしくても、手続きそのものは進められました。

うまくいかなかったことも、勘違いも、全部ふくめての記録です。同じ場所に立っている誰かが、「自分にもできるかもしれない」と少しだけ思えたら、それでこの記録には意味があると思っています。

※ くり返しになりますが、制度や必要書類は変わります。実際に動くときは、最新の情報を裁判所・法テラスなどでご確認ください。

物語のほうを読む

この手続きの背景にある出来事は、「調停の章」で綴っています。

※ 今後、「空き家をめぐる記録」や新たな章で生まれたできごとにまつわる手続きも、この手続きの章に少しずつ追加していく予定です。

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