家族

03-空き家をめぐる記録

【空き家をめぐる記録 #18】Episode4|家族が話し合いなくバラバラになっていく

工務店は廃業し、もう一軒の交渉も途絶えた。空き家探しを諦め、借家へと切り替えた私たち。「あの借家はどうなった」という父の一言から始まった慌ただしい日々の中で、家族はそれぞれの方向へ離れていった――。「淡いご縁」第18話。
03-空き家をめぐる記録

【空き家をめぐる記録 #16】Episode2|500万円が250万円に

ちょっと、ちょっと待って「それでは失礼しました」と電話を切ろうとしたところ、耳から離した受話器から声が聞こえた。「ちょっと、ちょっと待って」切らずに返事をすると、理由を聞かれた。話していると、以前は代行もやっていたけれど、落札後に買わなかっ...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #14】Episode9|母と一緒にできることが嬉しかった

手紙の向こうに、ずっと母がいた。どんなに心細くても、その繋がりだけが、前へ進む力になっていた。話がいつも二転三転して「俺は、一緒に住まないから小さい家でいいよ」「えっ」「あれ、お母さんから聞いていなかった?」笑いながら伝えてくる。「いや、聞...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #13】Episode8|あの小さな手紙のやり取り

頼れる人が、そこにいた。離れていても、小さな手紙のやり取りだけが、確かな繋がりになっていた。医者に怒られたわ病院へ行く日の朝、家の中がとてつもなく暗く重く、時間がなかなか過ぎていかなかった。前日の夜に父に突っぱねるような言い方をしてしまい、...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #12】Episode7|強くいなければならなかっただけだ

話し合えないまま、それでも動き続けるしかなかった。誰にも弱さを見せられなかった。強くあろうとしていたのではなく、強くいなければならなかっただけだと、今ならわかる。決断の重さ仕事が不安定だと思っていただけなのか、今となっては。辞めさえしなけれ...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #11】Episode6|なんとか、生きている

あの頃は、外のことも、内側のことも、同時に重なっていた。気づかないふりをしながら、それでもなんとか、日々をやり過ごしていた。この木になりたいと思った慎人は当時、わが家に一台しかないパソコンを使いたがり、度々私の部屋に来てはオンラインゲームを...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #10】Episode5|心に引っかかった言葉

あの騒がしかった日々が、ある朝を境に静かになった。その静けさの中で、それぞれの日常が続いていった。家庭内に戦慄が走った和哉は、父と慎人と一緒に大工の仕事をすることになった。けれど数か月で別の仕事をしだし、長くは続かず転々とする日々が続き、家...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #9】Episode4|ドタドタという足音

祖母を見送り、ひとつの時間が静かに終わった。その頃の家の中には、別の重さも、同時に渦巻いていた。千円ない?兄の良いところは、仕事熱心なところだ。けれど家の中では全く協力しない。多額のボーナスが入っても一人で使い込み、月末になるとお給料を使い...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #8】Episode3|祖母と、家と、お墓と

唯一と呼べる人との繋がりを、静かに手放した。時間を少し戻すと、その頃の家の中にも、重なるように変化が起きていた。狭い四畳半の夜に中学を卒業してほどなく、母は月に一度、六時間かけて帰郷していた。祖父が他界してから五年近く、祖母が一人で暮らして...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #6】Episode1|離れ離れの生活

幼い頃の記憶は、断片的にしか残っていない。それでも、その遠い始まりを、ここから辿っていく。安定した家庭とは無縁だった幼少期から「安定した家庭」とは無縁だった、わが家。保育所へ行く頃、私は祖父母と三つ上の兄・広良と一緒に暮らしていた。一つ違い...