記憶

03-空き家をめぐる記録

【空き家をめぐる記録 #20】Episode6|金額が違う

借家での新しい暮らしが始まった。けれど数か月後、わが家だった家が競売に出された。絶望していた保証金は「返還される」と記されていたはずだった。年末、母が帰宅して言った一言に、耳を疑った――。「淡いご縁」第20話。
03-空き家をめぐる記録

【空き家をめぐる記録 #17】Episode3|わが家になると思っていた家|定期借地権付き住宅だった

値下げまでしてもらいながら、即決できなかったあの家。「やめます」という言葉で、望みは絶たれた。残された唯一の望みは、わが家に付いていた定期借地権の保証金――。「淡いご縁」第17話、空き家をめぐる記録。定期借地権付き住宅の売却体験を記録。五十年後に土地を返還する契約だったこと売却を進める中で初めて知った制度と、保証金返還に望みをかけながら空き家探しを続けた実話です。
03-空き家をめぐる記録

【空き家をめぐる記録 #15】Episode1|170万円という金額

 家を手放すことになり、空き家を探し始めた私たち。方位を頼りに東方面を探すうち、ある一軒の物件にたどり着く。だがその価格に驚愕した――。「淡いご縁」第15話、空き家をめぐる記録の始まり。
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #14】Episode9|母と一緒にできることが嬉しかった

手紙の向こうに、ずっと母がいた。どんなに心細くても、その繋がりだけが、前へ進む力になっていた。話がいつも二転三転して「俺は、一緒に住まないから小さい家でいいよ」「えっ」「あれ、お母さんから聞いていなかった?」笑いながら伝えてくる。「いや、聞...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #13】Episode8|あの小さな手紙のやり取り

頼れる人が、そこにいた。離れていても、小さな手紙のやり取りだけが、確かな繋がりになっていた。医者に怒られたわ病院へ行く日の朝、家の中がとてつもなく暗く重く、時間がなかなか過ぎていかなかった。前日の夜に父に突っぱねるような言い方をしてしまい、...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #12】Episode7|強くいなければならなかっただけだ

話し合えないまま、それでも動き続けるしかなかった。誰にも弱さを見せられなかった。強くあろうとしていたのではなく、強くいなければならなかっただけだと、今ならわかる。決断の重さ仕事が不安定だと思っていただけなのか、今となっては。辞めさえしなけれ...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #11】Episode6|なんとか、生きている

あの頃は、外のことも、内側のことも、同時に重なっていた。気づかないふりをしながら、それでもなんとか、日々をやり過ごしていた。この木になりたいと思った慎人は当時、わが家に一台しかないパソコンを使いたがり、度々私の部屋に来てはオンラインゲームを...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #10】Episode5|心に引っかかった言葉

あの騒がしかった日々が、ある朝を境に静かになった。その静けさの中で、それぞれの日常が続いていった。家庭内に戦慄が走った和哉は、父と慎人と一緒に大工の仕事をすることになった。けれど数か月で別の仕事をしだし、長くは続かず転々とする日々が続き、家...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #8】Episode3|祖母と、家と、お墓と

唯一と呼べる人との繋がりを、静かに手放した。時間を少し戻すと、その頃の家の中にも、重なるように変化が起きていた。狭い四畳半の夜に中学を卒業してほどなく、母は月に一度、六時間かけて帰郷していた。祖父が他界してから五年近く、祖母が一人で暮らして...
02-生い立ちの記録

【生い立ちの記録 #7】Episode2|仔猫と手紙と、唯一の友だち

桜の季節になるたび、思い出す帰り道がある。あの頃の私は、まだ“居場所”というものを、うまく見つけられずにいた。食べきれずに残した記憶両親と新たな場所での生活が始まったが、なかなか保育所に馴染めず、ぐずってばかりいたという。保育所の頃の記憶が...