【空き家をめぐる記録】序章

04-空き家をめぐる記録

母の退院と共に、少しずつ日常が戻り始めた。

痩せ細った母と並んで歩きながら、荷物を処分し、次の暮らしへ向けて準備が動き出した。

一人では何も手につかなかったけれど、母と一緒にできることが嬉しかった。

あの頃はまだ、この先に何が待っているか知らなかった。

家を手放すことが決まってから、暮れに差し掛かっていた。とても長く重い一年だった。

次の住処を探すことになった。

それがこんなにも長い道のりになるとは、思ってもみなかった。

これは、家を求めて歩いた、もうひとつの記録である。

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